機械類全般に言えることですが広い意味で考えますと、定期メンテナンスが後々の機械状態に影響を及ぼすといってもよいでしょう、更に腕時計について考えますと常に肌に身につけている特殊な道具と言えます。
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洋服は洗濯することができますが腕時計の場合はそうはいきません、腕時計も汚れが大敵なのです。肌に接触すると汗やホコリが付着します、汗には塩分を含んでおりますので付着部分からジワリジワリと腐食が始まっていきます。場合によってはパッキン類も侵してしまい時計内部へ侵入する事もあります。
時計使用環境や体質により大きく腐食の進行度合いが変わりますが、腕時計ケース(外装、金属ブレス、革バンド含む)はそういったサイクルで劣化してゆきます。内部ムーヴメントも年数と共にメンテナンスを必要とする状態になります、多くある歯車軸の油の劣化、乾燥、汚れ、こすれ合ったりする部分の摩耗ダメージや疲労、又は破損、各種ムーヴメント毎にそれぞれのウィークポイント等もあります、当店はそれらを熟知しており経験も豊富であります。
ホゾ折れ拡大

先端のホゾが折れた状態。各歯車のホゾがどれか一つ折れてしまうと時計は作動しません。
正常な状態の"ホゾ"(車軸)です、かなり細い造りですので強衝撃は時計にとって大敵だということがお分り頂けると思います。

ガンギ車良品拡大
クロノ車ホゾ折れ拡大

繊細な動きをするクロノグラフ車、ストップウォッチ機能不良の原因として、こちらの歯車のホゾ折れが多く見られます。
パーツ交換により解消されますが、早めのメンテナンスでトラブルを未然に防げます
クロノ車良品拡大
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錆


外観上では錆が発生している痕跡が無くても内部では腐食がかなり進行している場合もございます、プッシュボタンやリューズ操作の使用時の操作感覚をつかんでいれば作動の鈍い箇所があれば早めの修理をお奨めいたします、錆によるパーツ交換等の余計な出費をおさえられます。

裏ぶたを開けてみると錆がビッシリと発生しているモノも多々あります、右画像のような状態でも中には奇跡的に動いている時計もあります、動いているから大丈夫!止まったら修理に出す、という感覚で御使用されますと手痛い目に遭遇してしまいます。

錆2
錆3

錆によるダメージはムーヴメントだけではなく時計外装品にも及びます、左画像はプッシュボタン周辺を内側から見た画です上画像のような錆状況ですと、ムーヴメントのプッシュ操作レバーとほぼ接触状態にある関係上、錆が移ってきてしまいますプッシュボタンのユニットの中にはバネやシーリングパッキン等が入っておりますのでそれらが錆により侵されてしまいます。
突発的な強い衝撃を受けますと、いかにサファイアガラスといえども割れてしまいます、粉砕した細かい破片が 針・カレンダー・文字盤を傷つける場合もありますのでこの様な場合可能であれば、リューズを引き出して時間修正をする状態にして針を止めておいたほうが無難です。右画像の場合サファイアガラス交換可能ですが破片除去等、関連する作業を施す必要がある為OHをお奨めいたします。

ガラス割れ